捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
「……たぶん嫌われてないとは思うけど……惣介さんが私に恋愛感情を持ってるかは……自信ない。もし恋愛感情を持ってないとしたら、私に告白されても困るだけだと思うし、惣介さんは優しいから断ろうにも断れないかもしれないし。もしかしたら重いって思われたり罪悪感持たれたりするかもって」
「……まぁ、わからなくはないけど」
「でしょう?そんな気持ちを持ったまま結婚しても、うまくいくなんて思えないよ。片方の気持ちだけが大きい状態でバランス取れるとも思えない。だから、変に気持ちなんて伝えない方がいいと思う」
「琴音……」
私の話で心配そうな表情に変わってしまった叔母に、今できる笑顔を向ける。
惣介さんは“恋愛を捨てる前に、恋愛してみますか?”って提案してくれた。
私は深く考えずにその提案に乗ってしまったけど、よく考えたらそんなに簡単なものじゃなかったんだ。
やっぱり、私は考えが甘いんだ。
……恋愛は一方通行じゃ成り立たないんだから。
そんな重要なことに気付いたのは、惣介さんのことを好きだって自覚した後で。
私だけが惣介さんを好きでも、それは一方通行でただ虚しいだけだ。
好かれてもいないのに、そばにいるなんて……辛すぎる。