捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
 
***


「……やっぱりダメかも」

「え?」


叔母のところに行く理由はお見合いの報告なんかじゃなくて、すっかり恋愛相談するためになってしまっていた。

この前までの浮かれっぷりが嘘だったかのように、私は冷静になっていた。

だって、あんな風に言われたら……一方通行なのに、恋をした~なんて浮かれるのはバカみたいに思えてきたから。

……そして、悩んで悩んで、泣いて泣いて、一つの結論を出そうとしていた。


「……気付いたのが結婚する前で良かったのかもしれない」

「何がいいの」

「……」

「まさか、結婚やめる、なんて言わないわよね?話を聞く限り、ちゃんとうまくいってるじゃない」

「……それは表向きなんだよ。でも本音は……。しっかりと線引きされちゃったんだから、そんなの虚しいだけじゃない。それに、今でさえ私は変な態度取って迷惑かけちゃうし……その上身勝手な気持ちを押し付けて、これから先ずっと迷惑かけるなんて嫌だよ」


ぜーんぶなかったことにすれば、惣介さんに変な迷惑をかけなくて済むし、私も一時の感情だったと諦めればいいだけ。

今終われば、いつかは、そんなこともあったよね、って笑って話せる時が来る気がする。

一番傷が浅くて済む方法だ。

何だかあっさりと腑に落ちてしまって、楽になった気がする。

 
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