捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
 

想像しただけなのに、私の心臓がぽんっと跳ねる。

まだ全然その予定なんてないのに、こんなにドキドキするとか、やっぱり私はおかしい!

惣介さんみたいに普通すぎるのもおかしいと思うけど!


「じゃあ、そろそろ外に繰り出しましょうか?琴音さんお手製のパンも待ってることですし!」

「あ、はいっ」


惣介さんが何事もなかったように外に向かって歩き出した後を、私は慌てて追う。


「ほんと、天気いいですね」

「はい!何かデートの時はいつも天気が良くて、天気の神様が味方してくれてるみたいですよね。今日もピクニック日和です!」

「俺たちは晴れの神様に恵まれているのかもしれないですね。あ、今日は公園以外のところにも行ってみましょう。たぶん、琴音さんの知らない場所でなかなかいいところがあるんですよ」

「そうなんですか?ぜひ、連れて行ってください!」


惣介さんとおしゃべりしながら、マンションの外に出る。

珍しい場所に行くわけじゃないのに、わくわくドキドキするのはきっと惣介さんと一緒だからだ。

こういうのって憧れていたから本当に嬉しい。

 
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