捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
 

ベンチに着き、三浦さんに促されるまま、私はベンチに腰を下ろした。

三浦さんがゆっくり歩いてくれていたとは言え、履き慣れないヒールで足が疲れていたから、休めて少しホッとした。

……もしかして三浦さんは、そのことに気付いてくれていたんだろうか?

私が座ったのを確認して、適度な距離を取って、三浦さんも腰を下ろした。


「……俺はいいと思ってます」

「……え?何が、ですか?」


突然放たれた三浦さんの言葉に、私は首を傾げて三浦さんの顔を見ると、三浦さんも私の方を向いた。

さっきと変わらない笑みを口元に浮かべたまま。


「もちろん、結婚です」

「…………えっ!?」

「ふ。やっぱり驚くんですね」

「え、だ、だって」


会って間もないのに、結婚してもいいって……。

そんなにあっさりと簡単に決めちゃうものなの?

……いや、それは簡単すぎない?

さすがに許容範囲外だ。

っていうか、断りたいと思ってたわけじゃないってこと?

 
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