捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
エピローグ
~一期一会
*エピローグ*
「……反則です……!」
「……そっくりそのまま、その言葉をお返ししますよ……。ほんと、たまらないです……」
私の目に写るのは、いつものメガネを外して髪の毛を整えた惣介さん。
……白いタキシード姿の、惣介さんだ。
「そんなに私の心臓壊したいんですかぁぁ?」
「……こっちの台詞ですって……本当に」
衣装合わせの時はずっとメガネをかけていたから、“本番”もそうだろうと思っていたのに……
まさかの!表向きの惣介さん……つまり、どの角度から見てもイケメンの惣介さんが私の目の前に現れたのだ。
もちろん、その不意打ちに私はドキドキが止まらない。
ただでさえ、ドレスは苦しいというのに。
最初からこんな調子で、今日1日もつんだろうか?
胸に手を当ててゆっくりと深呼吸をして顔を上げると、惣介さんが私をじっと見ていた。
「!そ、そんなに見ないでください……っ」
「見ますよ。……すごく綺麗です。琴音さん」
「っ!!」
「……見せびらかしたい反面、表に出したくない気分です」
「……?意味がわかりません……」
「琴音さんは俺のものだ!……って世界中に見せびらかしたいくらい、琴音さんが綺麗だってことです」
「!……ま、またそんなこと言って……」
私の心臓を壊そうとする……。