捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
 

「……2対8の割合で惣介さんでしょう?ふふっ」

「……まぁ、いいですけど、ね。きっと、お互い様なんでしょうから」


惣介さんはハァと息をつき、私の頭に自分の頭をこつんとぶつけ、頭を揺らしてぐりぐりと擦り寄ってくる。

まるで、猫がそうするように。

そのかわいすぎる仕草に胸がきゅんとなった。

惣介さんのふわふわとした髪の毛がおでこに当たってくすぐったい。

こうやって触れるたびに、惣介さんのことを愛しいと思う気持ちが大きくなる。

私だけ気持ちが膨らみすぎてるかもと思ってしまう反面、惣介さんも同じように嬉しそうに触れてくれるから、きっと同じ気持ちだよね、と私は自惚れるんだ。

その時、惣介さんの腕が私の腕の中からするりと抜かれ、私の身体をふわりと包んだ。

きゅう、と少しずつ力のこもる腕に嬉しさが込み上げてきて、私も惣介さんの背中に腕を回す。

そして、もっともっと惣介さんとの距離が近くなればいいのに、と力を込めて抱き締めた。

ずっと、一緒に居たいな、と思う。

今以上にもっと、もっと。

今日渡す予定の物だって、そういう意味を込めていて。

……あ……、今渡そう……!

そして、この気持ちを伝えたい……!

 
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