捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
~1回目のデート
***
「……やるわね、琴音」
「え?」
「……正直、そんなにすんなりいくとは思わなかったわ。三浦くんとのこと」
月曜日の仕事帰り、惣介さんと結婚前提にお付き合いすることを叔母に報告に行った。
電話で伝えようかと思ったんだけど、やっぱり直接言うべきだと思った私は、仕事を必死に終わらせて定時ダッシュで叔母の家を訪ねていた。
報告したら、叔母は大きく目を見開いて一言「嘘でしょう?」と言った。
何度も本当だと伝えて、やっと受け入れてくれたようだった。
「……押せ押せだったのは叔母さんでしょ?」
「そうだけど、上手くいくなんて思わないじゃない?普通。現実、お互いが同意してしたお見合いでも、そんなに簡単にいくものじゃないのよ?」
「え?そうなの?お互いに強い結婚願望があっても?」
「人間だもの。性的に受け入れられない、っていうのはあるでしょう?」
「!!そ、それは……」
「ね?」
急にリアルな話を持ち出されて、私は戸惑った。
……やっぱり早まったのかもしれない。
“そういうこと”を全く考えていなかった。
幸せな家庭を作るってことは、子供を作るってことで……“そういうこと”をするってことだ。
……うっ、何かリアルで考えたくない。