捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
「それに、この場所は普通に楽しいですよ?はじめて来る場所でワクワクするし、見たことのない景色に新たな発見をした!って感じで。地球っていろんな景色を見せてくれるな~って感動しちゃいます。それに……惣介さんがいるから、もっと楽しいです!」
素直にそう思う。
確かに一般的に考えれば惣介さんの言わんとすることはわかるし、人それぞれだと思うけど……
でも、私はすごく楽しい。
それもこれも、惣介さんが一緒だからだこそ、強く思うことだ。
「……ははっ、今日は俺が振り回す予定だったのに……結局、琴音さんに振り回されるんですねぇ」
苦笑いしながらフゥと溜め息をついた惣介さんに、ふと疑問が浮かぶ。
もしかして、私にそうされるのが嫌なのかな?
実はめんどくさいとか思われてる?
わざわざ口に出すのも、気付けっていうサイン?
もしそうだとしたら悲しいけど……、でも、思ってることはちゃんと言葉で言われないとわからないよ。
「……惣介さんって、私に振り回されるの、嫌ですか?」
「えっ!?」
「えっ!?」
ガバッと驚いたように顔を上げた惣介さんに、私まで驚いてしまう。
ぱちくりと目を丸くする惣介さんが慌てたよう口を開いた。
「な、何でそんなこと」
「いや、あの、私は結構楽しいから。惣介さんは違うのかなと思って」
「!!~~また……!」
「え」
「……はぁ。」
また、ため息つかれた……っ!
私おかしいこと言った?
変なこと言ってるって呆れてる?
バカなこと言うなよ、って?
ど、どうしよう……
惣介さんの「はぁ」のため息の中に隠された意味が読み取れなくて、私は焦る。