捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
不安になった私は惣介さんのことを恐る恐る見上げる。
「あ、あの、惣介さん?」
「……ほんと、琴音さんには本当に敵いませんね」
「……?」
「……嫌なわけないでしょう?俺も、楽しいですよ。琴音さんに振り回されるの」
「!」
暗くてその表情はよく見えないけど、たぶん、いつものように楽しそうに笑ってくれてると思う。
想像すると私も顔が緩んでしまって、自然と「良かった」と口にしていた。
ふと暗い視界がさらに暗くなって、私は何だろうと目線を上に上げる。
そこにはさっきよりも少しだけ近くに来た惣介さんの姿。
「!」
「琴音さん」
「は、はい……?ど、どうかしましたか?」
「……すごく、好きです」
「…………え?」
「好きですよ」
「っ!?」
え、えっ!?な、何!?
今…………、好きって……!?