捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
いつもより近くから聞こえてきた突然の惣介さんからの告白に、私は驚いてしまって耳がカッと熱くなったのを感じる。
でも、その後にすぐ聞こえてきた言葉は。
「……琴音さんに振り回されるの、好きですから」
「!」
好き、って、振り回されるのが、ってこと!
そ、そうだよね!
……私ってば、何を先走って考えちゃってるんだろう!?
「あっ、そっ、そうですかっ!それは良かったです!」
「はい。でも、運転中は絶対に禁止ですよ?」
「……が、頑張ります」
私の焦りに気付いてか気付かずか、くすりと笑った惣介さんに、ドキドキと鼓動が速くなっていく。
そして、身体までもが熱い。
……私、おかしい。
惣介さんは「行きましょうか」と言って、私を気にしてくれつつ、またゆっくりと順路に沿って歩き始める。
人もそこそこいるし、狭い道もあるから、私は惣介さんの後ろをはぐれないようについていく。
すると、ある場所で惣介さんがひょいと壁がわを覗き込んだ。