捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
「……これを琴音さんと一緒に見たかったんですよね」
「!」
「このハートの光を見れた人は幸せになれる、って伝えがあるんですよ」
「そ、それは素敵ですね!」
「はい。そして……もし誰かと一緒に見た場合は……」
「……場合は?」
惣介さんの返事を待つと。
惣介さんは柔らかい笑みをその口元に浮かべて、私の目を真っ直ぐと見てきた。
「……その人と幸せになれると言われてます」
「!!」
「ね?本当に素敵な言い伝えでしょう?」
「あ、は、はい……っ」
惣介さんの言葉に鼓動がばくばくと速く大きくなっていく。
今にも飛び出してしまいそうな感じがして、つい、手すりに置いていた手を胸に当てた。
惣介さんの言葉が意味するのは……私と惣介さんの未来のことなんだ。
……嬉しい、って思った。