航平さんと雨芽ちゃん


「航平…汗。
大丈夫?」
全力で走ったから、まだ残っていた汗を着ていたコートの袖で軽く拭いてくれ、そう聞いてきた。

「大丈夫だ。
雨芽、埋め合わせには足りないかもしれないけど、部屋とってルームサービスでも頼むか?」
「良いの?」
「うん。」
「じゃあ行こう。」
雨芽は寝起きのわりにサッサと起き上がり、俺の腕を引いて歩き出した。


フロントで、スイートルームとまではいかなくても上階の方の部屋を取って、ルームキーを受け取り、エレベーターで上がるとエレベーターを降りた時に、正面の窓から外の綺麗な夜景が見えた。


「うわぁ…綺麗。
航平、綺麗だね。」
雨芽は窓に近寄って、興奮気味に夜景を眺め始めた。

雨芽は自分の事を過小評価していたけど、こういうとこ良いと思う。

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