航平さんと雨芽ちゃん
静かに席から立ち上がり、雨芽の小さな身体を抱き寄せた。
「やっと見れた雨芽の涙。」
「理咲以外の人から初めてプレゼントもらったから、嬉しくて。」
「うん。
俺もそんなに喜んでもらって嬉しい。」
「フフッ…これからもよろしくね。」
「うん。」
耳元で聞こえる雨芽の笑い声も愛しく感じて、頷き返した。
「雨芽、」
「ん?」
名前を呼んで少し抱き締める腕を緩めると、不思議そうに答えて、俺を見上げる雨芽の唇に自分のそれを重ねた。
唇を離すと、雨芽が目をギュッと瞑ってるのが見えた。
今まで見てきたのは、裸にタオルを巻いた姿でも全然恥じらわないとことか、『好き』って言葉を真っ直ぐに言えちゃう雨芽だったから、珍しく初々しい反応にグッと来た。