航平さんと雨芽ちゃん
「雨芽に伝えなくて良いんですか?
このままずっと分かり合えないままで良いんですか?
難しい言葉は要らないと思います。
ただ‘愛してる’って伝えてあげてください。
優しく頭を撫でてあげてください。
ずっと1人で孤独と闘ってたあの子に。
もうこどもじゃありません。
少しくらい複雑でも、理解出来ると思います。」
「赤の他人に言われてしまうとは。
ヤキがまわったな、俺も。」
それだけ呟くと、雨芽の父親は立ち上がり、部屋から出ていった。