航平さんと雨芽ちゃん
別にさっき言葉につまったのは、照れたとか下心とかそういう甘い考えからではない。
折角暖まったのに、湯冷めして風邪を引いたら本末転倒だからだ。
色白の火照ってピンクがかった肌に、細長い手足。
タオルの上からでも分かるスタイルの良さには驚いたけど…。
警戒心なさ過ぎじゃないか??
だけど、怒鳴るのも違うから思い止まった。
俺だってそれなりに年取って、経験は積んでいる。
だから別に今更雨芽の年頃の子とどうにかなりたいと思うほど飢えてはないから良いけど。
他の奴だと、あの無警戒娘は危なかったと思う。
何とも思わなかったわけじゃないけど。
「はぁ…。」
呆れのため息を吐いて頭をかくと、台所へ向かった。
俺は晩飯食べてないし、多分アイツもそうじゃないかと思うから。
時間も時間だから、簡単なラーメンにした。