航平さんと雨芽ちゃん


「…どういう事だ?」
「いや、そんな大した事じゃないし、つまらない話だから気にしないで。」
少し深刻な雰囲気に戸惑いつつ聞いてみると、さっきのブラックな感じが嘘のようにまた笑ってそう返してきた。

けど、『これ以上聞くな』と言われてるような気がした。 


「お前って、本当に謎だな。」
「そう?
そう難しい人間でもないよ。
私は単純明快な人格だから。」
「そういうの自分で言うか?
やっぱり変わってるわ。」
「それって誉めてる?
それとも貶してる??」
「さぁ。
ご馳走さま。」
話しながらあっという間に食べ終わり、曖昧に答えた。

「ご馳走さまでした。
まぁ、航平が私に興味持ってくれるのは嬉しいから、なんでも良いや。」
「ふーん。
丼俺が洗うから、シンクまでは運べよ。」
「はーい。
てか、私が洗うよ??」
「却下。
お前、絶対やらかすから。」
機嫌良く、手伝いを率先して言い出す事は良い事だとは思うけど、帰った時の光景がショッキング過ぎて、拒否した。

< 34 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop