航平さんと雨芽ちゃん
「じゃあ俺も風呂入るから、もう先に寝てろよ。」
「うん。
ごゆっくり~。」
寝室から着替えを持ってきて、雨芽に声をかけるとそう返ってきた。
脱衣所に入ると、着替えを置いておくための籐のかごに見た事のないペンダントが入っていた。
シルバー素材で花か星が彫られていて、小さいものなら入りそうなロケットペンダント。
大体縦に4㎝くらいで横に3.5㎝くらい。
厚みは約1㎝くらいのもの。
雨芽のか?
冬服だったから気づかなかった。
大切なものだったら困るだろうと先に私に行く事に。
「雨芽、これ脱衣所のかごに入れてあったけどお前のか?」
「えっ?あ!
そうそう私の‼
ありがとう。」
雨芽は慌てたように俺の掌から取り上げた。
「いつもしてるのか?」
「うん。
施設に預けられた時に持ってたんだって。
こうやって中に私の誕生石のアメジストのベビーリングが入ってて、いつもつけてる。」
早速、雨芽は首にかけて、ロケットを開けて中の小さなリングをみせながらそう答えた。
チェーンが長いから、頭から通してかける事も出来るらしい。