航平さんと雨芽ちゃん


「また履歴書持ってきてくださいね。」
「あっ、あります。」
コトリさんに言われて鞄の中の履歴書を思い出し、取り出した。


「胡桃 雨芽(クルミ アメ)さん…。
綺麗な名前ですね。」
「そうですか?
ありがとうございます。
あの…ため口で話してくださって大丈夫です。」
履歴書に目を通しながら、私の名前を誉めてくれた。

いつも名前を聞くと貶したり怪訝な顔をされる事はあっても、誉めてもらったのはたったの2度。

1人目は勿論親友の理咲。

だから嬉しくて、お礼を言った。


「じゃあお言葉に甘えて。
雨芽ちゃんって呼ばせてもらうね?」


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