航平さんと雨芽ちゃん
チラッと見てみただけでもかなり綺麗な人。
長めの髪をまとめて後ろでとめてあり、スラリとしたスタイルの良いスーツが似合う女性で。
『航平の隣に並んだら、きっと美男美女で似合ってしまうんだろうな。』って、知り合いかすらわからないのに、書類を拾い続けながら勝手な想像をして嫉妬してしまった。
「…雨芽?」
「えっ?」
突然自分の名前を小さく呟かれたのを聞いて顔をあげると、さっきまで必死に大量の書類を拾ってたはずの彼女の視線がこっちに向いていて、呆然としていた。
よく見たら、この人…似てる。
「あの…私の事、ご存知なんですか?」
「えっ?」
内心の戸惑いを何とか表情に出ないように押さえて聞いてみると、気が抜けたような声が返ってきた。