航平さんと雨芽ちゃん


見た目、仕事が出来るキャリアウーマンなのに、今の彼女はそれを保てていない感じ。

ここまで来ると、さっきから嫌な予感が頭を過っていてそれが現実になるんじゃないかと怖くなる。


「あの。」
「あっ、ごめんなさい。
ぶつかったうえに拾うの手伝ってもらっちゃって。」
「いえ。
さっき、私の名前呼ばれませんでした?」
「あぁ…菊田くん!
そう、菊田くんに話を聞いてたから。
可愛い子だって。
だから、何となく分かったのかも。」
「…そうですか。」
いまいちその説明は説得力に欠けていたけど、一応そう返事をした。


航平、この人にどの程度私の事話したの?
普通話で聞いて、会っていきなり私って分かる??


「菊田くんの忘れ物届けに?」
「はい。」
疑問は拭えないものの、ここに来た理由を聞かれたので正直に答えた。


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