航平さんと雨芽ちゃん
不審なアイツ
航平side
朝、会社に着いて鞄を開くと、昨日仕上げたばかりの今日の会議の資料の入った封筒がなかった。
記憶を辿ってみると、家に忘れてきた可能性が高く、雨芽がまだ居ることを願って電話してみた。
幸いまだ居て持ってきてくれる事になったけど、住所を教えようとしたら口説明では分からないからメールで送るように頼まれ、初めてアイツのメールアドレスを聞いた。
携帯を触ってるところを見た事もなければ、携帯を持ってた事すら知らなかった。
心配しつつも、自分のデスクの椅子に座り待っていると、受付から雨芽が到着したらしく、ちゃんと約束があるかの確認の電話がかかってきた。
俺の部署のある階まで来るよう誘導してくれるように頼んで待っていると、少し時間がかかったけど到着した。