航平さんと雨芽ちゃん
「雨芽‼」
「えっ?航平??
何してんの??」
大きな声で急に名前を呼ばれてそっちを見ると、航平がこっちに向かって歩いてきていた。
お互いに『アンタ、誰??』状態で、いきなり航平が『俺は雨芽の』って言い出したから、それ以上は聞くのが怖くて晴哉さんにはとりあえず今日のところは帰ってもらった。
航平、何て言おうとしたの?
聞きたいような、聞きたくないような。
でも、恐怖が勝ってしまった。
晴哉さんが高級車に乗って帰っていくのを見送った後、航平に『聞きたい事が幾つかある。』と言われた。
私もあるよ。
話さないといけない事、聞きたい事が。