ロフトの上の冷たい毒 星のない漆黒の空の下
それは、旅行も諦めてしまっている年寄り達にとって、数少ない楽しみの一つだった。
達也の親思いを、私は理解しなければならないと自分にいいきかせていたが、時々憂鬱なった。
ーーーもちろん、そんなことは一切、顔に出さなかったけれど。
1人きりの日曜の午後が淋しかった。
私だって、食料品、日用品、買わなければならないものがある。
米、トイレットペーパー。
生理用品。
衣類用の洗剤。柔軟剤。
バスマットも1枚かびてしまった。
それらの補充は仕事と同じだ。
1人暮らしとはいえ、クタクタの残業帰りに買うのは、しんどい。
随分前から、ペレット(うさぎの餌)はもう買う必要はなくなったけれど。
車に乗せてもらい、誰かと行ければ楽だし、楽しいのに……
そんな風に思い煩う日曜の午後は、自己嫌悪に陥ってしまう。
身体はすべてを曝け出しているのに、心は男に嫌われまいと、本心を隠している。