スケッチブック



また今日も楓太のとこへ
行こうとする


『あ、琴羽
 丁度いいや
 こちら柚木さん、楓太くんのお母さん』


楓太のお母さんといわれる人が
私の母と喋っていた


柚木っていう名字だったんだ………


『柚木楓那です、
 楓太から聞いてるのあなたのこと』


「え………?
 楓太から?」


『明るくて絵が好きな女の子って
 言ってたわ……
 仲良くしてくれてありがとう』


「こ、こちらこそ……」


そんなたいしたことは
してないんだけどね………


ただ私が………


『夏休みも後少しだけど
 どうか仲良くしてあげてね』


そう言うと楓那さんは
軽く礼をして歩いていった


『もとは神奈川の病院にいたらしいんだけど
 あんまり、芳しくなかったみたいで

 もう、もしかしたら………』


「お母さん、
 ちょっと出かけてくる!!」


『ちょっと!琴羽!!』


病名とか寿命とか知らなくていい

私なんかが知らなくていい

ただ、私は楓太に会いたい



楓太がどう思ってるかなんて
分かんない


けど………



一緒にいたいんだ






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