きみとぼくと、世界と【短編】
本当にあっけなくきみはぼくを置いていってしまった。
こんなことなら昨日の夜大好物を食べさせてあげればよかった。
すり寄る君を抱きしめて同じベッドで眠ればよかった。
いつでもできると思っていたぼくが馬鹿だったんだ。
きみがいなくなる日がくるなんてちっとも考えなかったよ。
いて当たり前だったから。
でも、今日からぼくの世界にきみはいない。
18年と少し生きただけのぼくの半分も世界にいなかったきみ。