恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
佑真はお世辞抜きに、甲子園を沸かせた剛腕ピッチャーと肩を並べられる位の実力は持ってる。
それでも自分の力を過信したりしない。かといって、嫌味な謙遜もしない。
「きっと野球の神様が、お前にはまだ早いって言ってんだよ……」
……その佑真がそう言うなら、そうなのかもしれない……。
「だから、次は絶対に譲らねえ」
「うん……」
「もっともっと努力して、今度こそ頂点に立ってやる」
「……絶対に行けるよ……佑真なら……絶対…」
今までは、佑真に甲子園に連れて行ってもらおうと思ってた。
だけど……
その考えを、この瞬間180度転換させた。
あたしが佑真を甲子園に連れて行く。
それくらいの覚悟で、マネージャーの仕事を頑張るんだ。
あたしも、もっと頑張るから。
――佑真とあたしの夢のために……