恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「またかよ!」
「さっきのサービスエリアでも行ってただろ、どんだけチンコちっちぇーんだよ!」
仲間の野次る声に返す佑真。
「チンコは関係ねーだろうが!」
あたしはそれに笑う余裕もなくて、なんでもいいから早く停めてという思いでいっぱいいっぱい。
高速を降りる寸前に休憩したあとはノンストップで行くと言われていたから、これを逃すともう休めないかもしれない。
「うるせえ。生理現象なんだよ!頼む!」
佑真が救世主に見えた。
騒ぐ佑真を無視できず、バスは山あいにある展望スペースに停まった。
「はぁ――っ!」
あたしは佑真と競うように車外に出て、一目散に見晴らし台に向かい、手すりにつかまって体を丸めた。
大きく息を吸って、綺麗な空気を体に取り入れる。