恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
涙の理由
翌日の午後、一足早くダンス部が合宿所を後にした。
朝食の時に、佑真に告白した彼女を見かけたら、目がひどく腫れていた。
あんな積極的におして振られたんだもん。
かなりつらいのは分かる。
ライバルだとしても、かわいそうに思えた。
……他人事じゃないから。
「……ニヤニヤしてんなよ。気持ちわりい」
今、あたしは佑真のトスバッティングの相手をしているわけだけど、昨夜のことを思いだしてなんだがニヤケが止まらない。
佑真が女の子に興味ないのは分かったけど。
触れ合った体と体。
それだけで、あたし、しばらく頑張れる気がする――……