恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
だけど佑真は終始イヤホンを突っ込んだまま。
あたし達の間に会話はない。
完全にあたしとの会話を遮断しようとしているのは一目瞭然だった。
あたしはバス酔いすることも忘れるくらい、佑真の態度が気になって仕方なかった。
「なんか今日の佑真怖くない?」
学校に着き、バスから荷物を下ろしているさくらもその異変に気付いたようだ。
「そう……だね……」
「虫の居所でも悪いのかな?」
佑真の過去を知ってしまったのは、不可抗力。
だけど、佑真はきっとそれが気に入らなかったのかもしれない。
今までこんなに一緒にいて、話してくれなかったくらいだから……。
解散式をした後、佑真はさっさと一人で帰ってしまった。