恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「あっ、キャプテンにボール当たった!」
そのとき、さくらが素早くコールドスプレーを手にグラウンドへ飛び出していった。
「マネージャー失格!」
そんな捨て台詞を残して。
「……あ……ゴメン」
届かぬ声を地面に落とす。
また、さくらに先を越されちゃった。
マネージャーは常にグラウンドに目を光らせてないといけない。
部員に打球が当たれば、今みたいに飛び出して応急処置をするのも大きな仕事。
だけど、今日はまだあたしは1回もコールドスプレーを手に出来ていない。
……佑真に見惚れるあまり、マネージャーとしての腕はいまいちかもしれない。