恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
そんな横顔が、あたしの知らない佑真に見えて。
「お願いが……あるんだけど…」
「お願い?」
「……うん。佑真が有名になっても……」
「……なっても……?」
「親友の席は誰にも譲らないでいてくれる?」
嬉しいことなのに、ものすごく不安になった。
佑真が手の届かない人になっちゃいそうな気がして。
「…ンだよ、そんなことか」
「……」
「あたりめーだろ?」
佑真はあたしのよく知る笑顔で答え、髪の毛をクシャクシャと撫でてくれた。
ゲンキンなもので、その笑顔ひとつで不安も一気に飛び去った。
佑真の笑顔、言葉で、あたしはどれだけ幸せをもらえるんだろう。
恋人同士にはなれなくても。
あたしと佑真の間にもあるって信じたい。
永い年月をかけて結んだ、絆が――…。