恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
少年野球
「今日の午後はフリーとする」
次の日曜、珍しくそんな言葉が中島先生から出された。
とはいっても、みんな残って夕方くらいまでは自主練するに決まってる。
もちろん佑真もそうかと思ったのに。
「瑠依、ちょっと付き合え」
目の前にはすでに制服に着替え終わった佑真。
「どこ行くの?」
あたしも慌てて制服に着替え、佑真の後を追うと――
「バッチこいよー!」
聞きなれたものとは違う、少し高くて可愛らしい声がグラウンドに響き渡った。