恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「甲子園の舞台に立つ奴らも、プロの世界に行った人たちも、原点はここなんだよな」
キラキラした目で白球を追いかけて。
土まみれになりながら全力疾走する。
失うものも、怖いものも何も知らない。
ただ、純粋に野球が大好きでたまらない子供たち……
今日ここへ来た佑真の気持ちが理解できた。
今だから、こそなんだ。
「野球の楽しさは、すべてここに詰まってると思う」
横顔が、綺麗に見えた。
あたしはこういう佑真が好きなんだと思う。
ただひたすらに、野球が好きな佑真が。
「監督にはずっとこのチームを続けていって欲しいな」
「うん。そうだね」
あたし達の原点だから。