恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
試合は8-3でお父さんのチームが勝った。
「もー一回ここで野球やりてーな」
そういう佑真の顔はすっかり少年に戻っていた。
さっきから、応援だけじゃ物足りなさそうに体をうずうずさせてたもんね。
クスッと笑ってあたしは言った。
「だったらちょっとやっていけば?」
すると立ち上がった佑真は、片づけをしている少年たちに近づき
「おい、そこの1番」
声をかけた。
さっきまてマウンドで快投を続けていた、1番君が振り返る。
切れ長の目をした、負けん気が顔から溢れてるちょっと生意気そうな男の子。
昔の佑真とちょっと重なった。