恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「兄ちゃんとキャッチボールしねえか?」
そしてどう見たって佑真の手には合わないサイズのグローブを取り、左手に収めた。
「キャッチボール?俺のレベルに合うならやってやんないこともないけど」
佑真を見定めるようにしながら口を尖らせて1番君が言う。
わっ。
なに、このクソ生意気な子。
だけど、本当に昔の佑真そっくりで笑える。
「ぶはは」
あたしは思わず吹き出した。
「はは。お前ピッチャーにすげぇ向いてるわ」
佑真も笑っていた。
確かに。
このくらいの負けん気があれば、どんなマウンドでもやっていけそう。
あたしたちが笑ったからか、1番君は面白くなさそうに更に口を尖らせた。