恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
笑いながら1番君の頭をなでる佑真に「やめろよ」と煙たそうな目を向けた。
あれが褒め言葉ってことに気づいてないんだよね。
「オレ、完投して疲れてんだよなー」
そう言いながら渋々キャッチを始めた1番君だったけど、次第に目つきが変わっていくのが分かった。
それはもちろん、佑真から放たれるボールが、普通の物じゃないから。
野球をしている人なら誰だってすぐに気づくんだろう。
そのボールの凄さを。
スピードをつけているわけじゃないけど、その球の威力が一発で分かるんだ。
「佑真か!?」
お父さんが嬉しそうに近寄ってきた。