恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
この辺の野球少年なら誰でも佑真を知ってるはず。
でも、制服姿じゃピンと来なかったんだろう。
野球帽を被った姿を見て、あの城山の剛腕ピッチャーだって気付いたみたい。
「わー、すげー!本物だ!!」
甲子園に出場する佑真は、もしかしたらプロ野球選手よりも身近で、偉大な選手なのかもしれない。
投げているときの気迫あふれる目、さっきまでのふてぶてしい目。
そのどれもじゃない、1番君はまるでスター選手でも見るような羨望の眼差しで佑真を見つめていた。