恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
なんかいいなぁ……。
あたしは芝生の上で膝を抱えていた。
気持ちいい風に吹かれながら、笑顔の絶えない佑真を見つめる。
きっと、佑真にとっては何よりもの休息かな。
オフをくれた中島先生に感謝しなきゃ。
まだユニフォームに着られているような子に、身を屈めてバットの構え方を教える姿。
その周りに、次は僕次は僕と群がり引っ張られる姿。
佑真はもう、ただの野球少年ではないことを思い知らされた。
野球少年たちから憧れられ、夢を与える側に近づいて行っている。
……大人へ近づいて行ってる。