恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
確かに寝坊なんてふざけた理由……
体力的にキツイ部員たちだって、きちんと朝早く起きてるんだから。
佑真が怒るのも無理ないよね……
「でもほんと、瑠依が寝坊なんて雪でも降るんじゃないの?」
季節が季節だけに、さくらは心配そうに窓の外を眺めた。
冬独特のキーンと冷たい空は灰色。
確かに雪、降りそうな天気だな……
窓に向けた目を戻す視線の途中、席に座っていたエビ君と目が合った。
「………」
どうやら佑真との一連のやり取りを見られていたようで、何か言いたそうな目をしている。
なんだか気まずくて、あたしから目を逸らした。