恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
放課後になると、本当に雪がチラチラ舞ってきた。
グラウンドでの活動を中止する部が続出する中、野球部だけは今日も練習。
「全面使えるしラッキーだな」
それを逆手に取ってはしゃぐ佑真は、まるで雪に喜ぶ犬みたい。
うっすら白くなり始めたグラウンドに、誰よりも先に飛び出して行った。
「うわ寒ッ。今日くらいオフにしてもよさそうなのに」
「……うん」
さくらの言う通り、あたしは違った意味で今日くらい部活を休みたかったけど、今朝のこともあるからそんなわけにもいかない。
それに、甲子園出場の為に今は何もなかったように振る舞うって決めたのは自分。
頑張らないと。
よしっ!
気合を入れてグラウンドに出た。