恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
それでも。
佑真は話しながらもバットを振るのは止めないから、あたしもボールを投げる手を止められない。
冷たい体にじんわりと冷や汗が浮かぶ。
震える体は、寒いからなのかなんのか分からない……
とにかく、西川先生を視界に入れないようにボールだけに神経を集中させていると、
「増田もトス上げばっかりできついだろ」
あたしに会話を振ってきた。
「……っ」
びくんと心臓が跳ね上がる。
「佑真もあんまり増田をコキ使うなよ?女の子なんだから」
「………」
……どういうつもりで言ってるの?