恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
この小雪が舞う極寒の中、誰ひとりとして文句も言わず練習を続けている。
佑真だけじゃない。
甲子園はこんなにも多くの部員の夢が詰まった舞台。
それぞれが、甲子園にかけた想いがある。
それを……あたしが奪うなんて出来ない。
『お前になにかあったら1番に飛んでってやるから』
佑真はそう言ってくれたよね。
本当は、その言葉に甘えたい。
………だけど。
あたしさえ黙っていれば…
あたしさえ我慢すれば…
グッ…と奥歯を噛みしめた。