恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

―甲子園まであと1ヶ月。




「おっし、10分休憩するか」


ハードな練習のつかの間の休憩。


中島先生のノックを受けている野手陣とは別メニューで練習している投手陣が、佑真の合図でベンチに上がってくる。


「お疲れさまー!」


真冬とは思えない汗の量。

あたしが一人一人にタオルを渡すと、みんな倒れ込むようにベンチで汗を拭う。


「はい、ドリンク!」


その中でも一番息が上がっている佑真に、疲労回復に効くという特製ドリンクを手渡した。


「サンキュ」


そう言ってガブガブ飲み始めた佑真だったけど


「プーーーー!!」


直後、突然吹き出した。


「えっ!?どうしたの?」


辺り一帯が茶色に色づく。
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