恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

投手陣の休憩が終わると、あたしは佑真に頼まれた新しいボールを取りに部室へ向かった。


「ボールボール……あった!」


備品の中から新品の箱を取り出す。


甲子園でのプレーを考えて、できるだけ新しいボールで練習した方がいいからと、購入したものだ。


しっかり手入れはしてるけど、今使っているのは結構くたびれているから。



「……ふう……」


なんとなく。


あたしはボールの箱を抱えその場にうずくまったまま、立ちあがれなくなった。



必要以上に気合入れるのって、結構しんどいんだ。


無意識じゃなくて、意識してそうしてるから尚更。
< 283 / 486 >

この作品をシェア

pagetop