恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
投手陣の休憩が終わると、あたしは佑真に頼まれた新しいボールを取りに部室へ向かった。
「ボールボール……あった!」
備品の中から新品の箱を取り出す。
甲子園でのプレーを考えて、できるだけ新しいボールで練習した方がいいからと、購入したものだ。
しっかり手入れはしてるけど、今使っているのは結構くたびれているから。
「……ふう……」
なんとなく。
あたしはボールの箱を抱えその場にうずくまったまま、立ちあがれなくなった。
必要以上に気合入れるのって、結構しんどいんだ。
無意識じゃなくて、意識してそうしてるから尚更。