恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「またそうやって……。甲子園に行くために無かったことにしたい。そう言った増田さんの気持ちは分かる。

けど、自分の体にムチ打つように頑張って……。そこまでする必要あるのか?」


「……」


エビ君の一言が、虚勢を張ってたあたしのバリアを少しずつ壊していく。



負けず嫌いのあたしは、なにもなかったことにしたいと強がった。


だけど本当は――


「もっと自分を楽にしてあげたら?」


「……」


「今の増田さん、頑張りすぎてて見てるこっちがキツイ。せめて俺の前でくらい力抜けよ。俺に出来ることって、それくらいしかないんだし」


胸を貸すように、あたしの頭をそこに押し当てた。


あたしは重力のままに、体をエビ君に預けた。


「……うっ……ううっ……」
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