恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「甲子園……本当に大丈夫…?」
「………」
「……俺ら、一回戦負けするつもりないよ……」
「………」
遠まわしだけど、エビ君の言いたいことは伝わった。
甲子園入りすれば、西川先生とも最低でも何日か宿舎を共にしなきゃいけない。
……勝ち進めば勝ち進むほど。
それは嬉しいことだけど、精神的にはきつくて考えただけでも吐き気が襲ってくる。
「許してくれな、意地悪で言ってるんじゃない。ただ現実を考えた上で、増田さんの精神的リスクを心配してんだ」
「……うん、分かってる。大丈夫」
そうは言っても、手のひらにじんわりと冷や汗が浮かぶ。