恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「…やっぱり……甲子園はスタンド応援だけにした方が――」
「それだけは嫌!佑真と一緒に甲子園に行くって決めたんだから!」
「はあ……どこまで増田さん…」
少し呆れ気味にエビ君は笑った。
「心配してくれてありがとう。それでも、あたしにとっては甲子園に行けるワクワク感の方が大きいんだ。それだけがまだ救い…」
夢がやっと叶うんだもん。
あんなつまらないことで、台無しにしたくない。
……そう、あれはつまらないことなんだ。
「下手にあたしが部から抜けて万一あのことが知れたら……。
今はただ、無事に甲子園に行けることだけを考えたいの」