恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
エビ君は大きく溜息を吐いてから言った。
「分かった。今は増田さんの意見を尊重する、だけど――」
「わかってる。センバツ大会が終わったら、ちゃんと考えるから」
西川先生に謝罪させるなり、学校へ報告するなり。
まだどうするかは分からないけど、やっぱり泣き寝入りだけはしたくない。
それで済む問題じゃないけど、きちんとけじめはつけたいと思う。
ただ、時期が今じゃないだけ。
「無理だけはすんなよ。
…涙も乾いたな。じゃあ行くか?」
エビ君はあたしの肩をポンポンと軽くたたくと、外へ促した。