恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
冷たい瞳
―甲子園まであと3週間。
「夜中の2時までかかってやっと仕上がったよ!」
寒い手をこすり合わせながら、朝練に顔を出したあたしはさくらにお守りのマスコットを見せた。
マネ3人で均等に割り振られた数をなんとか作り上げた。
あたしが一番時間かかっちゃったけど。
「どーれどれ。うん、瑠依にしては上出来じゃん?」
「だって甲子園に連れてくお守りだもん。県予選より気合入れたし!」
自分で言うのもなんだけど、よくできたと思う。
完成品を改めて満足げに眺めていると、
「あのさ、瑠依…」
さくらが小声で顔を寄せた。
「ん?」
「変な噂耳にしてさ…」
その気まずそうな表情に、あたしの体に緊張が走った。