恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
帰り道。
暗くなった道をエビ君と2人で歩く。
途中まではさくらも一緒だけど一つ手前の駅で降りる為、自然と二人になってそこから自宅まで送ってくれる…そんな流れになっていた。
他にこの駅を使う野球部員はいないし、この時間一緒に歩いているのを学校の誰かに見られることもない。
見られたところで、実際あたし達にはなにもないんだけれど。
「エビ君は、噂…知ってる?」
あたしは思い切って聞いてみることにした。
「噂?」
「えと……あたしとエビ君が付き合ってる…とかいうやつ……」
お互い知ってるとしたら、それを話題にしないのも何かへんな話。
「ああそれか」
緊張して問いかけたのに、意外とあっさり返されて拍子抜けした。